Liquid man寄り抜き映像の解説

●96年10月に俺が中心になって行なった
MSXを使った舞台企画こと『爆弾祭』の
『Liquid man』の本番映像の一部をアップします。 

wmv形式で約2メガのもんなんでナローバンドの人でも充分観れるはず。

舞台裏の技術的補足だと画像処理はMSX2(F1XD)に
MFP製3メガRAMとRAMなしDOS2を装着したものを
会場のプロジェクターに直接接続し、
MSX自体のパワーで映像は全てまかなっていました。
画像用にturboRが用意できなかったんで
表示速度がいっぱいいっぱいで大変でした。

音声も録音ではなく客席最後尾で役者が生で喋り、
画像切り替えは役者と連動した手動操作でした。
舞台に照明を設置して演出と連動させたりもしてました。

BGMは全曲これ用に作られたオリジナル。
当初はPC-88VA2で作る予定でしたが
本番一ヶ月前にBGM担当の家が全焼し設備も全焼。
急遽GM音源の作曲設備を急造でこしらえてイチからやり直して
なんとか完成させたものになっています。

効果音再生はMFPの3メガRAMを装着したturboRを使用しPCMで鳴らしてました。
MDみたいな頭出し再生に優れた効果音再生向けの設備を当時は持っていなかったのでこれは便利でした。
ホントはアタリ端子で画像側のMSXと連動して効果音再生は自動だったんだけど実現せず。
本番当日は片手に画像用MSX、もう片手に効果音用MSXを持って必死で操作しました。

この企画、普通に一般入場可な舞台公演だったのですが
全然MSX系トピックで相手にしてもらえない、なかった、ので自分で公開です。
MSXを活用したアニメは『ザ・フライング・ルナクリッパー』だけではないっすよ~!

●と、文にしてみて
改めてすさまじく例のない企画だと再認識するのですが
この作品のすばらしいところはまさにココで
既存の(商業表現の)手段を模範し、準拠するのではなく、
自分達の出来る別種の能力を組み合わせて
自分達の表現ジャンルを生み出し成立させた事
なんですよね。
こういうフロンティアな企画、もっとやりたいです。

ちなみにこの企画の着想はラジオドラマの公演会で、
もしこれに挿絵をつけたら、その挿絵をパソコン制御にしたら、照明をつけたら、と
どんどんアイデアを発展させていって最終的にこのカタチになったんです。

●チョイスしたのは観てわかる通り、
山場シーンの後半途中からそしてクライマックスの手前まで。

盛り上がってきて続きが気になる部分を寄りぬきつつ、
しっかり後の拙作『Mistral Blue』の作中でのソウルサバイブ、デッドマシンガンの初出を
披露しフォローしちゃってるという俺ならではのヤらしいチョイス(笑)。

作品全体の話も少し…。総時間は約45分で総画数は397枚。
BGMは全9曲。効果音数は忘れたなぁ。
企画立案から公演までの期間はわずか5ヶ月でした。
(企画立案から…なので、結果この形式に落ち着くまでの試行錯誤…いわゆる構想期間も含めて5ヶ月でした)

実際は全編あんなにくるくるとは動いてません。
普通は漫画のコマ割程度かそれより少ない画数で容量をやりくりして
アクションシーンではあんな風に動かしてました。

ホントはバイクからみのアクションシーンが
全編通してカッコよく描けてるんだけど
今回の寄りぬきには入れず。

そしてコレいいね~、と思われた方は
当方の『さようならカーマイン』が演出技術面での後継っぽい作品になってるので
MSXturboR相当の実行環境のある方は是非『POPCoRN OnLine.』(現在閉鎖)で
ダウンロードしていただければ幸いです…ってまた宣伝か…。

なんにしても『Liquid man』という作品は
作画を中心に当時のスタッフの誠意と熱意の一作だなぁ、と
あらためて思い知らされるのでした。

●エエとこで終わってる『Liquid man』お蔵だしですが
近日発売の『COMPLETE POPCoRN』には容量面で全編は無理ですが
お蔵だし部分であるゲイツ戦のパートは全編収録します。
ついでに声優の練習風景と本番後のスタッフのお姿もお見せしますともよさ。
あ、あとオリジナルBGM全曲も収録します。

他にも動画関連だと幻のおバカ企画『第1回POPCoRNはい』のダイジェスト映像と
関係者のみに配布されたおバカビデオ『むきえびメモワ~ルビデオ』全編も収録されます。お楽しみに。

本編はこちらをクリックしてください(wmv形式、1.94MB)。